情報記事

【那須町】酪農の町で酪農家を目指す!研修・農地・出荷先までサポート。品目の選べる野菜・果樹研修も

那須町は、東京と仙台の中間地点に位置し、皇室の御用邸や宿泊施設、別荘地が多く、観光地としても人気のエリアです。那須連山の裾野には広大な農業地帯が広がり、特に酪農が盛んです。就農のための酪農研修や6つの品目から選べる野菜・果樹の研修が実施されており、本格研修の前の短期研修に参加することも可能です。



那須町の概要

那須連山の主峰茶臼岳

那須町は東京から約180km、東京と仙台のほぼ中間に位置し、観光名所であると同時に酪農や農業が盛んな地域です。那須連山の主峰・茶臼岳がそびえ立ち、その山麓には那須温泉郷や数多くの宿泊施設、別荘地が広がり、皇室の御用邸もあることから「ロイヤルリゾート那須」として知られています。また、1390年の歴史を持つ那須温泉郷は、日光国立公園にも指定されています。

 

美しい景色と温泉、アクティビティとさまざまな観光スポット・イベントがある那須町は、住民にとっても暮らしやすいところです。「那須町の子ども・子育て支援事業」では、こども医療費や妊産婦医療費の助成、若者世帯向けの住宅整備、子どもの安全の確保など、子どもを育てやすい環境づくりに尽力しています。
 


恋人の聖地展望台

那須高原展望台(標高1,048メートル)からは晴天時に八溝山系まで見渡せる絶景が広がり、2010年には「恋人の聖地」に選ばれました。

 

自然に囲まれた那須町は、アトラクションが人気の「那須ハイランドパーク」、バギーやオフロードバイクが楽しめる「バギーパーク」、牧場と遊園地が融合した「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」など、家族で楽しめるスポットも豊富です。キャンプや水上グランピングも人気です。



那須地域ならではの魅力を発信する「那須ブランド」

那須町経済四団体推進連絡協議会は、那須のイメージにふさわしい商品や場所を「那須ブランド」として認定し、那須ブランドの向上に努めています。

那須ブランドには「御用邸の月」「もんちゃうす」などのお菓子や、「ガーンジィゴールデンミルク」「ジャージーヨーグルトプレーンシリーズ」などの乳製品、「那須高原 辻岡農園の白いとうもろこし」「那須高原野菜セット」「那須高原 敷島和牛」などの農産・畜産物、さらには「那須温泉」「駒止の滝」といった観光名所も選ばれています。


那須町の農業

乳牛、和牛などが飼育される

那須町の高地は本州有数の畜産地帯で、乳牛や和牛、豚、鶏などが飼育されています。特に酪農は、先人たちがこの地で酪農地を開拓したことから始まり、町の農業生産の約4割を占めています。火山灰土壌と冷涼な気候が酪農に適し、那須地域は「酪農王国」として発展を遂げています。

 

栃木県の生乳生産量は1999年以降、北海道に次いで全国第2位を維持しており、県内で消費されるほか、東京など大消費地にも出荷されています。那須町の生乳産出額は県内でも2番目の規模です(令和4年市町村別農業産出額(推計)より)。


#事例紹介

那須町で18年ぶりに酪農で新規就農を果たした東京出身の相場博之さん。企業系列の大規模牧場や個人経営の牧場で経験を積み、第三者継承で念願の牧場オーナーになった相場さんの就農事例はこちら


那須コシヒカリの横岡米、みどり米、弁慶米も那須ブランド認定品

那須山麓の裾野には、明治から戦後にかけて開拓された農地が広がっており、昔から米作を中心とした農業や、八溝材で知られる林業が営まれています。

道の駅の農産物直売所には、新鮮な地元の農畜産物が並び、町内の宿泊施設や飲食店でも地元産の食材が提供され、多くの観光客にも喜ばれています。町内外の多くの人々に親しまれているほか、首都圏にも出荷されています。


アスパラガスの栽培も盛ん

現在、那須塩原市、大田原市を含めた那須地域では山間、平地など地域ごとの土地の特性を活かし、米のほか、アスパラガス、なす、ねぎ、うどなどの高品質な農産物が生産されています。那須地域では畜産農家が多かったため、堆肥の有効活用を目的に1993年にアスパラガスの栽培が導入されました。2010年には「那須の高原アスパラ(なすぱらちゃん)」として商標登録されました。2018年には栽培面積約50ヘクタール、販売金額9億6,000万円を達成しています。


酪農研修

酪農研修を受け入れている南條牧場

那須町の一大産業ともいえる酪農。那須町では酪農家になりたい人をバックアップしています。
町内の酪農家で組織された那須町酪農振興協議会が酪農家になりたい人の相談窓口となり、酪農家での研修のコーディネートや雇用就農希望者への酪農家の紹介、行政との橋渡しを行います。研修や就農希望がある場合には、地域の酪農家へのアンケートや聞き取り調査の結果をもとに、希望に合った酪農家とマッチングできるよう、準備を整えています。



[お試し就農]
新規就農を目指す方向けのお試し体験。町内の酪農家のもとで数日間の短期研修。

 

[酪農家のもとで学ぶ(研修)]
酪農家から直接学べるため就農後のイメージもしやすく、研修期間も希望に合わせて調整可能(2~3年以上が好ましい)。
長期の場合は住居が必要となるが、生活のサポートも町などと連携して行われる。
研修先によっては、雇用就農として給与や社会保険が支給されることもある。

 

[雇用就農]
研修以外に、雇用就農として働きたい方向けのサポートも行う。

  • 牧場で働く:牧場の従業員として雇用契約を結び、生活費を稼ぎながら酪農の現場で知識や技術を習得する。
  • 酪農ヘルパーとして働く:酪農家が休みを取る際に代行して業務を行ったり、人手不足の際にサポートを行う。

那須町酪農振興協議会の酪農研修についてはこちらをチェック

新規就農の支援プログラムでは、研修先・農地・出荷先が確保されていますので、新規就農者も安心して望んでいただけます。技術や知識の習得や、農地・資金の確保などの課題も、那須町酪農振興協議会が行政機関と協力してサポートします。


野菜と果樹の研修

研修品目のいちご

野菜や果樹での就農を目指す人に向けては、那須町、大田原市、那須塩原市、JAなすのなどの関係機関で構成する「那須地域新規就農支援協議会」で、那須地域で本格的に就農を目指す人向けの研修と短期研修を実施しています。


本格的に就農を目指す人向けの研修で、下記の2コースがあります。

 

■Aコース:農家での実習+座学研修(栃木県農業大学校とちぎ農業未来塾)

■Bコース:派遣農家のみでの研修

※短期研修(農業インターン)参加者は、研修を行った農家で引き続き就農準備研修を行います。

 

[研修内容]

栽培品目は、いちご、にら、アスパラガス、ねぎ、なす、なしのいずれか。※なしは、事業継承を希望する農家がいた場合
 

Aコース:とちぎ農業未来塾専門研修Ⅰコースと応用実践研修(農場実習)
Bコース:派遣先農家での実践研修(農場実習)

 

[研修期間]
4月1日~3月31日の1年間。

 

[研修費用]
無料。Aコースのとちぎ農業未来塾就農準備専門研修Ⅰコース受講料5万円(自己負担)。
研修に係る交通費や宿泊費、食費、作業服、障害保険料等は研修生本人が負担。

 

[対象]
義務教育を修了した者で就農に意欲があり、研修終了後はJAなすの管内において、農業経営に従事(独立自営就農)することが確実と見込まれる満18~48歳未満(研修申込時点)の心身ともに健康な者。

 

[募集人数]
若干名


インターンシップ

那須地域での独立就農を目指す人を対象に、栃木県の農業インターンシップ制度を活用した短期研修を用意しています。JAなすのでの1年間の本格研修の前に、5〜7日間の短期研修に参加することで、農業への理解を深め、就農イメージを具体化するのに役立ちます。

[研修内容]
栽培品目は、いちご、にら、アスパラガス、ねぎ、なす、なしのいずれか。

 

[研修期間]
原則5日以上7日以内。
研修生及び受け入れ農家の希望により、複数回に分けての研修や、研修日数の延長も可能とします。研修日程は、研修生と受け入れ農家双方が合意したうえで決定。

 

[研修費用]
無料。ただし、研修に係る交通費や宿泊費、食費、障害保険料等は研修生本人が負担。

 

[対象]
満18~47歳で、那須地域で就農を希望する者かつ本格的に農業を学びたい者。
次年度に新規就農支援協議会の研修制度の活用を予定している者。

 

[募集期間]
随時

 

[募集人数]
若干名


研修先インタビュー「南條牧場」 南條弘充さん

南條弘充さん

那須町酪農振興協議会の副会長も務める南條弘充さん。経営している南條牧場では、乳牛40頭と育成牛25頭を飼育しています。


酪農、畜産の仕事は、1年サイクルです。牛の生育状況に応じた作業がありますが、動物が相手なので農作物以上に想定外のことが起こります。酪農の研修期間は、1年で学ぶこともできないわけではありませんが、通常2~3年は必要でしょう。

酪農の仕事は一人では難しいので、家族の協力が不可欠です。夫婦あるいは家族で一緒に仕事できるのが理想です。


研修内容は、就農後の作業に即したものになります。南條さんの牧場では、朝4時半に起き牛舎に入り、掃除と餌やり、子牛の哺育を行います。5時半~6時半ごろから搾乳や機械の洗浄、子牛の堆肥処理と続きます。季節によって時間帯や作業内容は異なることもあり、牛の世話だけではなく、飼料となるデントコーンや、牧草となるイタリアンライグラスなどを畑で育てることも。種まきや収穫、刈り取りの季節には9時ごろからほ場に出ての作業です。
 


きつい仕事というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、牛を育てるのは楽しいですし、今は酪農ヘルパーの制度があるので、ヘルパーさんにお願いしてしっかり休みをとることもできますよ。


雇用就農のように働きながら学び、第三者継承で独立のチャンスも

牛の世話をする南條さん

3年間の研修中まったくの無収入だと、不安に感じてしまう人もいるかもしれません。
南條牧場では、研修中に給与や社会保険などの手当も支給され、雇用就農同様に働きながら学ぶことができます。
後継者が決まっていない牧場では、研修後にそのまま研修先を第三者継承する道も開けています。那須町ではこれまでに一人の方が実際に就農しています。


何もないところで酪農を始めるのは資金が膨大にかかり、簡単なことではありません。
一方、酪農家が高齢で廃業することになると、更地にするのに数千万円がかかります。ですから、後継者がいない酪農家でなら、第三者継承(※)できる可能性は十分にあり得ます。


第三者継承とは

先代農家に後継者がいない、または家族が事業を継ぐ意志がない場合、農家の有形・無形の資産を家族以外の人が引き継いで事業を継続する取り組みのことです。農業経営が新規就農者に引き継がれると、農地だけでなく栽培の知識なども受け継がれることから、継承者が継続的に営農できるというメリットがあります。


多様な働き方ができる。まずは、酪農の仕事を知ってほしい

農業すべてにいえることですが、酪農もまた高齢化が進み、今後どんどん減っていくリスクを抱えています。
20年後には、現在の半分にまで減ってしまうという試算も。そのため、酪農家になりたい、興味をもっているという人には、南條さんも那須町酪農振興協議会もできるだけのサポートをしていきたいと考えています。


自営での就農までは自信がなくても、雇用契約を結んで働ける牧場もありますし、酪農家が休みをとるときなどの代行や繁忙期の手伝いをする、酪農ヘルパーとして仕事をする道もあります。
短期での体験もできますから、まずは酪農の仕事がどんなものなのかを知っていただければいいと思います。


乳価は季節や乳質によって変わりますが、1酪農家あたりの年間標準売上は、1,033.5万円(飼育頭数平均53頭)。那須町での生活に必要な平均コストは、都会と比べて安く、約3人家族で月に25万円程度です。
技術を高めてよい牛を育てていければ、成果が期待できるんです。
農業は細く長く続ける仕事です。10年通してやると、いいときも悪いときもあります。何かにつまずいたとしても、そのあとにはいい状態になる日がきます。そういう気持ちで、ぜひ挑戦してみてください。


INFORMATION

南條牧場

先代が1965年に農地開拓のために畑作を始め、その後酪農業を営む。公務員を経て1977年に退職後、義父の後を継ぎ南條牧場を経営。4haの面積で乳牛40頭と育成牛25頭を飼育し、飼料となるデントコーンやイタリアンライグラスも自社で栽培している。現在は、牧場を経営するかたわら那須町酪農振興協議会の副会長として、地域の酪農業発展のために尽力する日々を送る。


まとめ

農家研修の内容は研修先によって異なります。それだけに、研修生が自分の望む研修内容、場所などの条件を出しやすいことがメリット。やりたいこと、不安なことなどなんでも相談するといいでしょう。

酪農研修も、研修先によって条件や期間などさまざまです。那須町酪農振興協議会では、各酪農家と密に連絡をとり、状況を把握していますので、条件に合った研修先を紹介してもらえます。引退する酪農家の事業を引き継ぐ「第三者継承」のチャンスもありそうです。ぜひ問い合わせてみましょう。


農地情報

那須町農業公社が、新規就農者が希望する作物に適した農地を斡旋するなど、農地確保に向けた支援をしています。


空き家情報

「空き家バンク」に空き家情報を掲載しています。
観光の中核で豊かな森に別荘地がある高原地域や、行政施設が集中し町の中心地である那須地域、旧奥州街道の宿場として栄え、城下町の面影を残す芦野地域、旧東山道により発達し、林業で栄えてきた歴史をもつ里山である伊王野地域に分かれます。
ライフスタイルのイメージに近いエリアを探すのがおすすめです。


相談窓口

【空き家相談窓口】
〒329-3222 栃木県那須郡那須町大字寺子丙3番地105 WORK BASE NASU(ワークベース那須) 
℡ : 0287-72-6955 
Mail : nasuakiya@gmail.com


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