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里山での農ある暮らしを体験!現地交流会
2023年9月30日(土)開催
【内容】佐野市で地域活性化に取り組む地元団体の団体「閑援隊」とともに大自然の中で農業体験。現地に暮らすメンバーと交流を深めながら、里山での暮らしや移住について質問ができる、現地交流イベントです。
大自然の中で農業体験!
JR小山駅からバスでやってきた参加者の皆さん。佐野市閑馬地区で野菜や原木しいたけなどを栽培する「株式会社クシダ」のさといも畑をお借りして、社長の串田力斗さんと母の智恵子さん、祖父の松島一郎さんにサポートいただきながら農業体験を行いました。地域活性化に取り組む地元団体「閑援隊」らと共に、さといも掘りに挑戦します。
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閑援隊(かんえんたい)
栃木県佐野市閑馬地区で、「より暮らしやすい閑馬を目指した地域活性化の活動」をモットーに、地元の有志が中心となり2018年に立ち上げた団体。耕作放棄地を活用した米づくりや甘茶づくり、農業体験の受入れのほか、地域活性化のための講演活動などを行っている。2023年9月現在、メンバーは32名。
https://kanentai.jp/
さといも掘り体験
さといも掘りが初体験の参加者もいたため、全員で松島さんから収穫方法のレクチャーを受けました。真剣な面持ちで松島さんの話に耳を傾けます。
和気あいあいとした作業
閑援隊のメンバーは、日本各地から移住してきた人が約7割。「ここは環境が良くって。田舎すぎると子どもの学校とかが大変になっちゃうけど、閑馬はほどよい。山間だけど、街もすぐ側にあるし」と閑馬の魅力を教えてもらったり、「さといもを小分けにする時は力を入れてパキパキ折って大丈夫」とコツを教わったりと、農作業中も会話が弾みます。
ごぼうの収穫を見学
「ちょっと見て!」という声に振り返ると、向かいの畑にはごぼうを収穫する松島さんの姿が !ショベルカーで掘った溝の深さは1m以上。深い溝に身軽に下り、ごぼうを次々と収穫しています。閑馬地区ではごぼうの栽培を行なっているのは松島さんだけだとか。貴重な現場を見ることができました。
散策で山の空気を満喫!山中にはしいたけの原木栽培現場が
「ハイキングに行きましょう!」と案内された先にあったのは、たくさんの原木しいたけ。一定の長さに切り揃えられた木が、山の斜面一面にずらりと並ぶ姿は圧巻です。
「里山の自然を守りたい」という思いから原木栽培を行っている串田さん。自然と対話をしながら農業をする大変さと素晴らしさを参加者に教えてくれました。
山の中をハイキング
しいたけの原木栽培を見学した後は、しばし山歩き。山中には橋も架けられ、きれいに整備されています。
里よりも少し低い気温と、澄んだ空気。歩くだけで心が癒される里山の素晴らしさを、身をもって体験することができました。
原木しいたけの収穫
串田さんのご好意により、ハウスで原木しいたけの収穫も体験できました。
この日に収穫した袋いっぱいのさといもとしいたけは、お土産として参加者全員、ありがたくいただきました。
とちぎで農業を始めたいなら
何でも聞ける!移住や農ある暮らしに関するフリートーク
午後は会場を「JA佐野愛村支店」に移し、昼食は佐野市下彦間町にある「ひこまカフェ」さんのおいしいカレーをいただきました。和やかな雰囲気のなか、佐野市役所の担当者、閑援隊の皆さん、串田さんらも交えて、移住や農ある暮らしに関するフリートークがスタートしました。
佐野市の魅力や移住支援・就農支援制度を知る
まず、移住を考えるときに気になるのが、移住支援制度の内容です。市の担当者から移住支援事業や就農支援についての説明がありました。佐野市では「佐野らーめん予備校」や「佐藤の会」といったユニークな取り組みも行っているそう。
また、市内全域の水道が名水百選に選ばれた地下水100%であることや、山が近く自然豊かでありながら、東北自動車道と北関東自動車道のインターチェンジがあり交通アクセスが便利なことなど、佐野市にはたくさんの魅力があるそうです。
空き家バンクや支援制度については、参加者だけでなく、移住の先輩でもある閑援隊メンバーからも多く質問がありました。また、メンバーからは農ある暮らしに対する支援策もあると良いとの声もあがりました。
参加者はメンバーから空き家探しの体験談も聞くことができ、一歩ふみこむきっかけになったのではないでしょうか。
閑援隊のメンバーがとちぎの里山に移住した理由
今回のイベントに参加してくれた閑援隊のメンバーは、ほぼ全員が移住者。
「どうして佐野を移住先に選ばれたのですか?」という質問に対し、「仕事の関係で引っ越してきた。仕事をする中で、佐野っていいところだなと思い、定住しようと思った」「北関東のどこかで商売をしようと決めていて、佐野の交通の利便性にひかれて、佐野の田沼に借家を借りて住み始めた。たまたま仕事で閑馬に来た時に小学校を見て一目ぼれして、この学校(現在は閉校)に子どもたちを入れたいと思い、閑馬に家を建てた」など、佐野市に移住するきっかけを教えてくれました。
移住者から見た里山や農ある暮らしの魅力
閑馬地区には陶芸家やキャンドルアーティストなどの芸術家が多く在住。作品を持ち寄ったイベントなども開催され、住人同士の交流が盛んだそう。
「来た時からいいところだなと思っていますが、さまざまな活動を一緒に行える仲間ができて、ものすごく幸せ。ますます楽しい生活になったと感じています」という声や、「みんなで行う農作業など、大人が楽しんでいる姿を子どもに見せられる環境ってなかなか無い」、「車がないと大変だけど東京での満員電車と比べればストレスはない」、「閑馬は、ほかの地域に比べると住民の仲がいいみたい」と口々に、閑馬地区の素晴らしい部分を教えてくれました。
ここに来たからこそ、つながることができた仲間たちとの活動に、皆さん魅力を感じているようです。
また、地元の人がすごく優しく、自分たちのことを受け入れてくれていると感じるそう。昔から住んでいる人々の懐の深さが、移住者にとって居心地の良い環境となっているようです。
そして、「都会では見ることのできない星空と、水のおいしさは里山ならでは」との声も。
人工的には作り出せない自然の力が生み出す価値は、まさにプライスレス。皆さんのお話を伺い、そんな言葉が頭に浮かびました。
農業を仕事にするのは甘くない、でも好きならできる!
農業をしたいからと移住を考える人も多くいますが、農業法人を経営する串田さんや専業農家の閑援隊メンバーからは農業を仕事にすることへの本音も。
「仕事としては大変。でもおじいちゃんのやっていることを守りたいから就農した。好きだから仕事にできている」、「楽しいことは多いが、つらいことも多い。大変なことは覚悟しつつ楽しいことを見つけていくことが大切」
厳しさのなかにも楽しみを見つけることや好きという気持ちがやりがいにつながっているようです。
参加者に聞きました!
閑馬の里山暮らしを体験した参加者に、イベントの感想を直撃インタビューしました。
里山の暮らしがリアルにイメージできた
過去に都内で開催された移住説明会には何度か出席しましたが、移住後の生活があまり想像が付かず……。このイベントでは現地の様子が見られるということで、参加することにしました。
仕事がクラウドエンジニアなので、どこでもできるということもあり、自然の中での生活に憧れがあります。今住んでいるところには田畑がないので、自然豊かなこの環境が新鮮で、「いいな」と感じています。
今回、実際に生活する環境やそこで暮らす人たちとの交流が持てたことで、移住後の生活が具体的に想像できました。参加して良かったと思います。
予想を上回る歓待ぶりに感動!
色々な移住先を検討しては、移住のハードルの高さに「移住はもう諦めようかな」と思っていたのですが、移住仲間のLINEでこのイベントを知り、「これを最後にしよう」と参加することを決意しました。
来てみたら、私の想像をはるかに超えた形で歓迎してくださり、何だか申し訳ないくらい。これまで参加した移住説明会と全く異なり、いい意味で予想が外れました。移住先探しは今日が最後のつもりでしたが、「もう少し、続けようかな」と思わせてくれました。
移住先探しには、協力してくれる人や、励ましあったり、相談できる人がいないと難しい、と常々思っていましたが、「ここならできるかも?」と思える温かさがありました。
コミュニティ活動の勉強になりました
地域のコミュニティを盛り上げるような活動や、中山間地域での生活に関心があり参加しました。閑援隊の皆さんと活動ができ、とても有意義な時間を過ごせました。
都市部へのアクセスのしやすさと、自然環境の良さに、もう少しここでのんびり過ごしたいな、と思いました。
「里山での農ある暮らし」を体感!
「里山での農ある暮らしを体験する現地交流会」は、串田さん家族や閑援隊の皆さんとの触れ合いにより、笑顔あふれるイベントとなりました。
実際に現地を見たり、そこで生活する人からの話を聞いたりすることは、自分の背中を後押ししてくれるはず。
興味があるイベントに、気軽に参加してみませんか?小さな行動が、自分の前に新たな道を開くきっかけになるかもしれません。