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本気で農業を始めたい人の就農準備校「とちぎ農業未来塾」で農業経営者を目指そう!【令和6(2024)年度研修生募集】

Uターン、Iターンなどで、栃木県内での就農を目指す人が農業の基礎や農業経営を学べる1年制の教育研修機関、「とちぎ農業未来塾」。
3つのコースとも講義と実習で構成されていて、栽培、経営、販売などの農業経営全般に関する基礎的な知識と技術を身につけることができます。
家庭菜園や趣味の農業志向者は対象外。本気で栃木での就農を目指す人のための学校です。



とちぎ農業未来塾ってこんなところ

栃木県農業大学校の施設

とちぎ農業未来塾の概要と設備は?

栃木県農業大学校 教務部 未来塾担当 教授 渡邉守さん

とちぎ農業未来塾(以下、未来塾)は、栃木県農業大学校の研修科3部門の一つです。
 

受講対象者は、UターンやIターンなどで栃木県での就農を目指す社会人。年齢は問いません。研修生で多いのは30~40代ですが、定年退職後の就農を目指す方もいます。

 

栃木県農業大学校 教務部 未来塾担当 教授 渡邉守さんは、「入講前に、地域や産地の研修制度と比較検討する方もいらっしゃいます。農業経営などに関する講義も受講できることから、未来塾を希望される方が多いようです」と話します。

 

未来塾には「就農準備基礎研修(週1日の入門編)」「就農準備専門研修Ⅰコース(週3日)」「就農準備専門研修Ⅱコース(Ⅰコース+週2日農家で実習)」の3つのコースがあり、それぞれ1年間のカリキュラムとなっています。基礎研修+専門研修と2年通して研修を受けることも可能です。


未来塾のカリキュラム(1)講義

パイプハウスの建て方講習

栃木県内で就農するための研修なので、栃木県の農業と現状という特徴的な講義があります。ほかに、農業の法律、農業の6次産業化、農業所得の税務など、幅広い分野でこれから農業経営を営むのに必要な知識を蓄えられます。基礎研修では、水稲・野菜・花き・果樹など、作物全般について学びます。それ以外に、GAP(農業生産工程管理)、スマート農業、鳥獣害対策、病害虫対策など盛りだくさんなカリキュラムになっています。
「園芸施設」という講義では、実際のパイプハウス資材を用いて施設を作って構造を知るなど、深く学べることから研修生に人気があります。
 


未来塾のカリキュラム(2)実習

たまねぎの収穫作業の実習

就農準備基礎研修コースでは、土を耕して畝をつくり、数種類の作物の種まき、育苗、収穫と一通りの作業を10カ月で行います。
就農準備専門研修コースでは、いちご、施設野菜、露地野菜、果樹のいずれかを栽培します。
農業機械については、トラクターや管理機などの操作法だけでなく、整備方法、始業点検まで学びます。

マーケティング研修では、県内の大手スーパーでの販売実習も行います。「バックヤードから販売まで一通り体験できるのでいい勉強になります」と渡邉さん。


未来塾のカリキュラム(3)現地視察

宇都宮市中央卸売市場の視察研修

校内では経験できないことは視察研修で知識を深めます。視察研修は、ベテランの農家や、未来塾を修了して経営が軌道にのってきた元研修生、卸売市場、種苗会社の育種ほ場などを訪れます。

例えば、市場視察では、農産物流通の仕組みや卸売市場の果たす役割、生産者と市場の取引等について学びます。


農耕車限定の大型特殊自動車免許・けん引免許の取得も

大型特殊自動車免許の研修の様子

農業経営に必要な基礎的な知識や作物の栽培技術の習得に加え、農耕車限定の大型特殊自動車免許・けん引免許の研修を受けることができ、免許取得も可能です。

最先端技術も学びますが、新規就農者が設備投資できる額は限られているため、高額・高性能な機械に頼りすぎないように、基礎的な農作業をしっかりと学ぶことを重視しています。

 

カリキュラムは毎年少しずつ変わります。その理由を渡邉さんに尋ねると「農業も年々進化しますから、常に新しい内容を取り入れていくようにしています」ということです。


とちぎ農業未来塾のカリキュラムについては栃木県農業振興公社のワンストップ窓口へ


実践的に農業を学ぶための3つのコース

ほ場で研修中の就農準備専門研修生(施設野菜:アスパラガス)

就農準備基礎研修│週1日の入門編

木曜日または土曜日の週1回のコースで、働きながら研修を受けることができます。4~1月の期間で農業経営や栽培技術の基本的な内容を中心とした講義、実習、現地視察などを行います。

まずは鍬(くわ)の使い方を学び、全員で畝(うね)立ての練習を行うところから始めます。種のまき方、育苗培土、植え付け、マルチかけ、収穫など、農業初心者でも就農できるように一から農作業を覚えます。

令和5年度に育てた農作物は、はくさい、キャベツ、さといも、だいこん、スイートコーン、かぼちゃ、すいか、じゃがいも、ねぎ、たまねぎ、ほうれんそうなど。
根の張りをよくするための植え付け方、除草方法、作物を大きく育てるための芽かき、追肥のタイミングなど、適切な時期に必要な作業を1つひとつていねいに行っていきます。


就農準備専門研修Ⅰコース│週3日未来塾で学ぶ

月・水・金曜日に未来塾で学ぶ「Ⅰコース」は、いちご・施設野菜・露地野菜・果樹の品目別に分かれて研修を行います。

カリキュラムは大きく4つのカテゴリーに分かれていて、「生産技術に関する研修」「農業機械・機器の取扱い整備に関する研修」「マーケティング等に関する研修」「経営管理に関する研修」を学びます。
経営管理では、農業経営管理・経営分析といった、経営主になるための内容も組み込まれています。


就農準備専門研修Ⅱコース│Ⅰコース+週2日農家で実習

未来塾での講義や実習はⅠコースと共通で、火・木曜日に農家での実践的な実習が加わります。

未来塾での農機具や設備は「新規就農者でも購入できるもの」をメインに導入していますが、ほ場の規模に応じて農機具や設備は変わります。基本的な農業機械や農機具で農作物を栽培する方法を未来塾で、大きなほ場で効率よく栽培する方法を農家での実践研修で、2つの方法を学べるわけです。

農家での研修は、1年間の研修が円滑に進むように、研修生と受け入れ先農家が事前に顔合わせを行い、研修中もフォローアップを行います。

 

新規就農者育成総合対策(就農準備資金)の申請が可能

「Ⅱコース」受講者で、一定の要件を満たす人は、新規就農者育成総合対策(就農準備資金)の申請が可能です。資金の交付を受けるためには別途審査があります。


研修コースの選択に迷ったら、栃木県農業振興公社のワンストップ窓口へ


現役研修生に聞く! とちぎ農業未来塾の研修制度

就農準備専門研修Ⅱコース いちご専攻 筑井智紀さん

筑井智紀さん

自動車が好きでレッカーサービス、ガソリンスタンド、板金修理に携わったり、自営で建設業を営んだりしていたという筑井智紀さん。まったく方向性の違う農業への道に進もうと思ったのは、実家がいちご農家だったからでした。
「子どもの頃から農業に親しみはあったんです。いろいろな職業に就いてきたなかで、親のやってきたことを継承したいという気持ちがだんだん大きくなってきました」と筑井さん。

就農しようと決めてから、お父さんとじっくり話し、「きちんと段階を追って農業について学んだほうがいいだろう」という結論に達しました。そこで、上都賀農業振興事務所に相談に行ったところ、紹介されたのがとちぎ農業未来塾でした。

農家での研修など、ほかの制度も比較検討してみましたが、1年でも早く就農したい気持ちがあり、就農準備専門研修Ⅱコースなら1年でみっちりと実践的な研修が受けられることが、未来塾を選択する決め手となりました。

 

実践的で専門的な研修の数々。就農後すぐに役立つ知識が学べる

実際に研修が始まってから、就農後にすぐに役立つ実践的な内容を学んでいるという実感があるという筑井さん。「研修では、ハウスの構造を学んだり、実際に建てたりといったことがとても印象に残っています。実際に自分で農業を始めたときにここで学んだ知識がすぐに生かせそうです」

 

同志と巡り会えたことが大きな糧に

また、研修を通して、同じ道を目指す同志と巡り会えたことが大きな糧になっていると語ります。
「農業ってマイペースでできると思われがちなんですが、実際には協調性がとても大事です。未来塾の仲間や、実習先の農家で協同作業をしてみて、余計にそれを強く感じています。いろいろな人の力を借りないといい作物を育てて売ることはできません。誰かに助けてもらっているんだ、という感謝の気持ちを常に忘れずにいたいと思います」

両親のいちご園は、お兄さんが継ぐことになっていますが、研修が終わったあとは、家族が持っている畑の一部にプラスして、近隣の農地などを借りて農業を営む予定です。


就農準備専門研修Ⅱコース 施設野菜専攻 手塚辰徳さん

手塚辰徳さん

手塚辰徳さんは東京の大学を卒業後、県外にある工場の自動化を実現するFA機器会社に7年間勤めていました。祖父母が水稲農家を営んでいましたが、自分が就農するつもりはなかったのだと言います。

コロナ禍で人と会うことが減り、やっぱり栃木にUターンしたい、という気持ちが大きくなるとともに、一経営者として何かしてみたいと思うようになりました。そこでたどりついたのが、以前はやるつもりがなかった農業でした。

 

1年間の基礎研修コースを経て就農準備専門研修Ⅱコースを受講中

「まずは、農業ってどんなものなのか、自分に農家が務まるのか始める前に確認しておきたい気持ちもあって、昨年、働きながら未来塾の基礎研修コースで1年学びました。やってみていけそうだという感触を得て、今年は就農準備専門研修Ⅱコースを受講しています」と手塚さん。未来塾を選んだのは、農業大学校のオープンキャンパスに来たことがあり、なじみがあったからでした。

 

栃木県はにらの栽培も盛ん。将来を見据えて施設野菜を選択

就農する品目として"にら"を育てることを選択したのは、水稲を減らして野菜に転換しようと考える中で、今後、両親と自分で栽培していくのは何がいいか、栃木県からの支援を受けやすいのはどの作物かと検討した結果だったと言います。

「栃木県はいちごのイメージが強いと思いますが、にら栽培も盛んです。自分が住んでいた地域にはいちご農家がなくて、にら農家がほとんどでした。それも、にらを育てたいと思ったきっかけです」

研修では施設野菜を専攻し、にらのほかにアスパラガス、トマトも育てています。実習先はにら農家。未来塾より大きなほ場で作業を行うことで、就農後の作業イメージを知ることができ、またベテランの農家からアドバイスを受けられるのが貴重な体験になっています。

 

就農後は前職での経験を生かした農業を

講義ではスマート農業がおもしろかったという手塚さん。

「前職がIoTに絡んだ仕事だったというのもありますが、人口減少や高齢社会で農業の担い手が減っていく状況なので、スマート農業は重要になってくると思うんです。費用もかかるので就農後すぐに取り入れるのは難しいですが、将来的には導入したいと思っています」

入学時から気持ちの変化があったか伺うと「最初のころは漠然とにら農家になりたい、くらいの気持ちしかなかったんですが、研修を重ねるにつれやりがいを感じています。未来塾では融資の借受方法などについてもサポートいただいて、来年の春からの就農に向けて着々と進んでいます」と答えてくれました。

「就農してからは、今後の雇用管理や農場の維持など考えていかなければならないですが、それも含めて経営主としてのやりがいなのではないかと思っています。」

 


とちぎ農業未来塾については栃木県農業振興公社のワンストップ窓口へ


 


卒業生の声

活躍する先輩農家


未来塾ではこれまでに1,200名を超える修了生を送り出してきました。

営業・販売職から夫婦でいちご農家に転身した島野優一さん、実樹さん夫妻。夫の優一さんは、就農準備専門研修Ⅱコースを受け、就農2年目から黒字化を実現しています。
未来塾では栃木県農業士でもある先進農家のもとで実習。トップの技術を学べたことは大きかったと言います。


 


4月スタート!令和6年度 研修生募集!

ほ場で研修中の就農準備基礎研修生(たまねぎの定植準備)

募集要項

就農準備基礎研修コース

研修期間:4~1月(30日)

①木曜日コース 研修曜日:木曜日
②土曜日コース 研修曜日:土曜日

募集人員:各40名 受講料:15,000円

就農準備専門Ⅰコース

研修期間:4~3月(100日)

研修曜日:月・水・金曜日
募集人数:60名(いちご:20名 施設野菜:15名 露地野菜:15名 果樹:10名)
受講料:50,000円

就農準備専門Ⅱコース

研修期間:4~3月(180日)

月・水・金曜日の専門研修Ⅰコースと、火・木曜日の指導農業者による現地実習
募集人数:Ⅰの範囲内で5名程度 受講料:90,000円

受講申込の方法

受講申し込みに必要な書類等(下記)に記入の上、農業大学校研修チームに提出してください。受講申込書は農業大学校のホームページからダウンロードできます。
受講申込書:様式1
就農計画書:様式2
返信用封筒:2通(定型封筒長3に宛名:住所を記入し、必ずそれぞれに84円切手を貼ってください)

募集期間

令和5年(2023年)12月4日(月)~令和6年(2024年)2月2日(金)必着

HP

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g63/hp/kensyuka/miraijuku.html


とちぎ農業未来塾担当 教授 渡邉守さんからのメッセージ

左から 手塚さん・渡邉教授・筑井さん

「栃木県で農業を目指す人を歓迎してます。

ただ、どんな職業でも合う合わないはあると思うので、その見極めも含めて未来塾で学んでいただけたらと思っています。就農を目指す方には、早めに自己資金や農地の準備を進めるなど、しっかりした就農計画を立てていただきたいと考えています。具体的な就農準備については、農業振興事務所、市町、JAなどと連携しながらバックアップを行っています。

そして、最も大切なのはやる気です。農地は私有地ですから、この人ならと思えば貸してもらえます。今後は、高齢のために離農する人も増え、農地も借りやすくなる可能性があります。

個人的には、農業はやりたい人がやる、というのが理想だと思っています。かつてのように、家業だから継ぐという時代ではありませんから。」


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さいごに

農業機械の使い方を学ぶ


教授の渡邉さんにお話を伺っていると、研修生一人ひとりのことをよく見ていることが伝わってきます。一方、甘いことばかり言う指導者ではない印象もありました。それは「しっかりと計画を立ててから就農しないと、借金をずっと抱えて大変な思いをすることもある」と渡邉さんも言うように、農業は決して楽な仕事ではないからなのでしょう。

基礎コースは未来塾に来るのが週1回、専門コースでも週に3回のみ。研修生たちが指導者と常に行動を共にしているわけではありませんが、研修の様子からは、熱心な指導に研修生たちが信頼を寄せ、まじめに取り組む研修生たちに指導者が応える、そのような良好な関係を築いているように見えました。

とちぎ農業未来塾は、まったく農業の知識がない人でも農作業や農業経営のノウハウが一から学べます。
栃木県内で農業を目指す人は、ぜひチェックしてみてください。


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